土壌汚染がある土地

土壌汚染が論点になる土地は、過去の用途と確認の手順から見ていきます。

工場跡地、クリーニング店跡地、給油所跡地など、過去に特定の事業が行われていた土地では、売却・建替え・相続の場面で土壌汚染が論点になることがあります。業種名だけで調査の要否は決まりません。過去の用途と設備の履歴を見ていくことで、確認が必要な土地かどうかが把握できます。

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この状態で起きること

売る、買うを考え始めたとき、まず出てくるのは価格や日程の話です。

ただ、過去の用途が論点になる土地は、価格や日程だけで話が進むものではありません。その土地で過去にどんな事業が行われていたのか。設備はどう扱われ、どう片付けられたのか。調査が必要な土地なのか、そうでないのか。こうしたことが事前に確かめられていないと、売買の話が思っていた形で進まなくなることがあります。

売買契約を結ぶ前の調査で土壌汚染の可能性が見つかった場合、対策の工事には相応の費用と時間がかかるため、現実的に踏み切れないことがあります。その結果、当初の想定価格から大きく下げて売ることになる——いわゆる買いたたかれるような形での売買になってしまうことがあります。

こうしたことが起きるのは、土地そのものに問題があるからではありません。価格や日程の話が先に立ってしまい、過去の用途や調査の要否といった、確かめておくべきことが後回しになっているためです。

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なぜ前に進まないのか

過去の用途が論点になる土地でも、確認の手順がはっきりしないまま動かなくなることがあります。背景には、土壌汚染ならではのいくつかの構造があります。

ひとつは、業種名だけでは調査の要否が決まらないことです。同じ業種であっても、使っていた設備や運用の履歴によって、確認すべきことは変わってきます。それでいて、当時の運用を知る人がすでにいない土地も少なくありません。当時の資料や周辺の記憶など、複数の手がかりを集めながら、用途を時系列で並べていく必要があります。

もうひとつは、関係者ごとに見ている範囲が違うことです。不動産会社、税理士、銀行、行政、環境の専門家——それぞれの専門は機能していますが、土壌汚染は複数の領域にまたがる論点のため、横断して見ている人がいない状態になりやすいのです。区役所に聞けばいいのか、東京都に聞けばいいのか、専門の業者に聞けばいいのか。確認の入口自体が分からないことが、最初の足止めになります。

土地が動かないのは、土壌汚染という言葉が重いからではありません。業種名だけでは判断ができず、確かめるための入口も見えにくい——そういう構造の中で、確かめるべきことが後回しになっていきます。

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確認すると、どうなるか

売買の話に入る前に、過去の用途を一度確かめておくと、判断のしやすさが変わってきます。

過去にどんな事業が行われていたのか。
設備はどう扱われ、どう片付けられたのか。
調査が必要な土地なのか、そうでないのか。

登記簿や住宅地図、固定資産税の記録、行政の公開資料など、複数の資料を時系列で並べていくと、こうしたことが見えるようになります。

過去の用途と設備の履歴が見えていれば、土壌調査が必要かどうかの切り分けができます。すべての土地に調査が必要なわけではないため、要否を見極める材料が揃うこと自体に意味があります。

仮に調査や対策が必要だと分かっても、費用感や工事の期間を、売却や建替えの計画に織り込んでおけます。買主や銀行とのやり取りで、論点が後から出てきて足元を見られる状態を避けられます。

確かめておくこと自体が目的ではありません。納得して売る、買うに進める状態を作ることが、本来の目的です。

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