承諾料の考え方がバラバラになる理由
借地に関わる承諾料は、いずれも法律上の算定基準がなく、慣行や個別事情に依存して決まっています。
そのため、同じ「承諾料の相場」を話していても、双方が違う数字を頭に置いていることがあります。
承諾料の考え方がバラバラになるのは、参照する材料が複数あるからです。
承諾料には種類があり、それぞれに参考レンジがある
借地に関わる承諾料には、主に次の種類があります。それぞれ別の場面で発生し、参考レンジも違います。
- 建替承諾料
- 借地上の建物を建て替える際に支払われる承諾料。更地価格の3〜5%程度が一般的なレンジ。
- 譲渡承諾料(名義書換料)
- 借地権を第三者に譲渡する際に支払われる承諾料。借地権価格の5〜15%程度が一般的なレンジ。名義書換料・名義変更料も同じ承諾料を指す。
- 借地条件変更承諾料
- 建物の構造や用途を変更する際に支払われる承諾料。更地価格の8〜12%程度が一般的なレンジ。
これらは別の承諾料です。同じ「承諾料」という言葉で話していても、どの承諾料の話なのかが揃っていないと、出てくる数字も大きく違ってきます。
なぜ参考レンジに幅があるのか
承諾料の参考レンジには、どれも幅があります。建替承諾料なら3〜5%、譲渡承諾料なら5〜15%といった具合です。この幅は、決め方の根拠が複数あることから生まれています。
承諾料には法律上の算定基準がありません。判例や慣行はありますが、地域によって、あるいは案件の事情によって、参照される基準が異なります。
具体的には次のような材料が並存しています。
- 更地価格をベースにする方式と、借地権価格をベースにする方式
- 地域ごとの慣行や、過去の取引事例
- 裁判所の借地非訟事件における運用基準
- 過去の地主・借地人間での支払い実績
- 承諾の内容(規模・期間・構造変更の有無)による調整
これらの材料のうち、どれを重く見るかで出てくる数字が変わります。地主側は資産価値ベースで、借地人側は支払い継続性ベースで考えやすいといった、立場による参照のしやすさもあります。
整理するとどうなるか
承諾料の話を進めるときは、まず「どの承諾料の話か」を確定させることが先決です。建替えなのか、譲渡なのか、条件変更なのか。場面によって参考レンジが違うため、これを揃えないと議論が始められません。
次に、双方が今どの基準を参照しているかを並べて見ます。更地価格ベースなのか、借地権価格ベースなのか、過去の実績ベースなのか。同じ「相場」と呼んでいるものが、違う基準から出て