借地に関係する金額を整理する
借地について話し合うとき、登場する金額は一種類ではありません。
地代、更新料、各種承諾料、借地権価格——それぞれが別の場面で、別の根拠で算出されています。
話がかみ合わないとき、金額そのものではなく、何の話をしているのかが揃っていないことがあります。
借地に関わる金額には、複数の種類がある
借地について地主と借地人が話し合うとき、お金の話は避けられません。地代の改定、更新料の支払い、建替えの承諾料、契約条件の変更——いずれの場面でも、金額の話が出てきます。
ただ、これらは同じ「借地のお金」と呼ばれていても、別の場面で、別の根拠で算出されています。
借地に登場する金額には、主に次のものがあります。
- 地代
- 契約期間中、借地人が地主に継続的に支払う金額。月額や年額で支払われる。
- 更新料
- 契約更新のタイミングで、契約継続の対価として支払われる金額。契約書に定めがある場合に発生する。
- 建替承諾料
- 借地上の建物を建て替える際、地主の承諾を得るための対価。
- 譲渡承諾料(名義書換料)
- 借地権を第三者に譲渡(売買・贈与・遺贈)する際、地主の承諾を得るための対価。名義変更料・名義書換料とも呼ばれるが、いずれも同じ承諾料を指す。
- 借地条件変更承諾料
- 建物の構造や用途を変更する際、地主の承諾を得るための対価。木造から鉄筋コンクリート造への変更、自宅から事業用への変更などで発生する。
- 借地権価格
- 借地権そのものを売買するときの価格。更地価格と借地権割合をもとに算出される。
これらは、それぞれ違う場面で登場するお金です。話す側と聞く側で、今どの金額の話をしているかが揃っていないと、話が前に進みにくくなります。
なぜ話がかみ合わなくなるのか
借地のお金の話が止まる原因は、金額の高低そのものではなく、その手前にあります。
一つは、それぞれの金額が異なる根拠で算出されていることです。地代には固定資産税倍率・近隣相場・路線価など複数の基準があります。更新料は契約書に定めがあるかどうかで扱いが変わります。各種承諾料には法律上の算定基準がなく、慣行に依存しています。
もう一つは、立場によって参照する情報が異なることです。地主と借地人は、それぞれ異なる立場で異なる情報源にあたっています。同じ「相場」と言っても、双方が想定している金額が違うことがあります。
その結果、金額そのものを議論する前に、何の金額の話をしているのか、どの基準で算出しているのかが揃っていない状態のまま、話だけが進んでしまうことがあります。
整理するとどうなるか
借地のお金の話を進めるとき、最初に確認すべきは金額そのものではなく、前提です。
順序としては、まず今話題になっている金額が「何の金額か」を確認することから始まります。地代の話なのか、更新料の話なのか、承諾料の話なのか。複数の金額が同時に動いている場合は、一つずつ切り分けていきます。
次に、その金額の算出根拠を確認します。契約書に定めがあるのか、慣行によるのか、どの基準を参照しているのか。根拠が違えば、出てくる金額の幅も変わります。
ここまで揃うと、双方が同じ前提に立って金額の話ができる状態になります。金額を決めるのは関係者ですが、判断するための前提は揃えておく必要があります。
個別の金額については、それぞれのコラムで整理しています
借地に登場する金額は、それぞれ別の構造を持っています。話が止まりやすい論点も、金額ごとに違います。
具体的にどの金額で話が止まっているかが見えている方は、該当するコラムから確認してみてください。